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看護師にとっては幽霊が出るより患者が消えるほうが怖い

夜勤中はお菓子を食べながらネットすることが娯楽

総合病院で10年以上勤務し、内科と外科を経験している30代の女性看護師です。

夜勤は、以前は準夜勤と夜勤が月に5回ずつでしたが、いまは2交代制に変わって準夜勤がなくなり、月に5回夜勤をしています。それでも、手当は1回7,000円と、破格の安さです。

夜勤中の楽しみといったら、お菓子を頬張りながらひたすらインターネットですね。本当に落ち着いていたら本を読んだりもしていました。
しかしそれはメンバーにもよります。一応、夜勤中に仕事に関係のない作業はご法度だったので、融通の利かない上司と一緒に夜勤をしている場合は、ひたすら勉強しているふりしたりしていました。

幽霊に出くわしたことはないけど患者さんが消えたことアリ

比較的穏やかな内科病棟で働いていた頃のことです。その日も、特に滞りなく明け方まで過ごしていた夜勤でした。

6時の起床時に患者さんを巡回するのですが、そのとき他のスタッフから「患者さんの○○さんがいません。」という報告を受けました。病室にいなくても、トイレだったり、朝早くから病院内を散歩していたり、売店に行っていたり、ということもあるので、しばらく様子をみました。が、一向に戻ってきません。夜勤していた3人で手分けして病棟内を探し回りましたが、いません。普段からまじめな人で、決まりごとを破るような患者さんではありませんでした。看護師に何も告げず1人でふらっといなくなるのは考えられないような人なのです。

そのとき「そういえば寝る前、ちょっと変なこと言ってました。」と今更ながら報告されました。その患者さんは治療が長期にわたり、かなりストレスが溜まっている様子だったというのです。無断離院だけならまだしも、もし万が一、ストレスから自殺とかしたらどうしよう、とにかく早く探さなくては、と焦りました。病院の入り口にいる警備員さんにも確認してみましたが、そのような患者さんは通っていないとのことでした。

夜勤の時間帯は3人しかスタッフもおらず、他の患者さんも大勢います。3人みんなで探すわけにも行きません。私が一番年上だったので他の2人に指示を出さなくてはいけません。
焦りながらも私は、とりあえす病院から歩いて行ける範囲の駅や早朝から空いているスーパーを回り、患者さんの特徴を説明し、こんな人が来たら連絡してほしいと伝えました。もちろん、その間も必死で患者さんを探していました。以前トイレの個室で首をつっていた人もいたと他スタッフからきいたこともあったので、トイレの個室一つ一つを、ドキドキしながら開けて探しました。

結局、私が院外を回ってから1時間後ぐらいに駅から電話がありました。なぜかびしょ濡れの、上半身裸の状態で駅に入ってきたとのことです。極度の精神的ストレスから錯乱してしまったようでした。
結果的にケガもなく無事保護することができてよかったけれど、あのときは本当に怖い思いをしました。

夜勤を続けるのはやっぱり体力勝負

夜勤を続けていると生活リズムが狂いまくり、年々夜勤は体力的に厳しくなります。体がだるすぎて睡眠に支障が出たり、お肌がガサガサになったります。どんなに短くてもいいから、横になり体を休めることが大事だと思います。

それでも、落ち着いていれば他のスタッフとゆっくり話をするいい機会になります。若い子の恋愛トークやうわさ話をするのも悪くないです。
ただやっぱり、楽しく乗り切ることを考えられるのは若さあってこそ。徐々に、いかに心身無事に乗り切れるか考えだすと思います。